接触ナシで人気を出す秘密

さくら学院-人気の秘密

握手会を初めとした「接触ありき」で人気を獲得してゆく現代日本のアイドル業界に在って、さくら学院の採用した接触を行わずにプロモーションする手法は異彩を放っている。

大多数のアイドル運営が握手会を開催する理由

アイドルが行う握手会は単なるファンサービスではなく、「握手する事によって情報の個人化を行い、ファンに強い印象を植え付ける」事を目的とした顧客教育である。言い換えると「握手という肉体的な接触による性の切り売りで親近感を与える事」だ。これは「特定の推しを育成する行為」と考えることが出来る。

握手会の参加権をチケット販売ではなくCDに同封するのは、CDが売れるからという理由以外にも意味がある。握手会目的でユーザーにCDを購入させ、CD販売チャート上位を獲得しニュース価値を得るというマーケティング効果を得ることが可能だ。「ニュース」は「無料で打てる広告」と言い換えられるから、利用価値大なのである。

さくら学院が握手会をせずにファンを獲得できる訳

第二反抗期

10歳から15歳は第二反抗期にあたり、何かにつけて反発する年齢である。その時期を過ごす少女達の葛藤や反発まで含めたリアルな成長劇を見届けることが出来る。

いわゆる「父兄目線」といわれる保護者的な見方をするファンが多い事実も、成長期の様々な側面を見せる運営手法に対応したものだ。

お嬢様学校

言葉遣いは、さくら学院生徒と他のアイドルとの大きな違いである。

一般にアイドルの口調は観客に対しても友達言葉であり礼儀作法はわきまえていないが、さくら学院の生徒は目上の人との会話を想定した口調となっている。

職員室の先生方(マネージャー)の躾は厳しく、さくら学院の生徒は挨拶や会話なども指導されている様だ。制服やグッズまで一貫した世界観で統一されており、それらが相まってミッション・スクール的な印象を形成している。

刹那感

さくら学院は中等部3年で卒業と転入時から卒業年度が決まっている為、入学時から卒業まで秒読みで過ぎてゆく。このため「必ず過ぎ去ってしまう瞬間を見届ける」という刹那感が強調されていて、さくら学院生に特有のキラキラした印象を与えることに成功している。

生徒の個性を際立たせる手法

カテゴリ化

特定の集団内における個人の立ち位置は、集団が大きくなるにつれて「あいまいに」なる。AKBグループが分かりやすい例で、センターの名前は知っていても後列には誰が立っても変化は感じられない程に没個性化されている。AKBグループといえば実物を目にしなくとも大体同じ系統の大規模アイドルと察しが着くが、それはAKBという言葉で集団をまとめるカテゴリ化が行われているからだ。

個人化

アイドル集団としての「さくら学院」が、カテゴリ化を避ける手法として採っているのが個人の情報量を増やして非カテゴリ化を進める方法である。これにより生徒の印象が深まり、(より親近感が高まって心理的障壁が低くなり)ファンが増えてゆくのだ。

さくら学院が、いかにして生徒個人を売り込んでいるかについての考察をこちらに書いておいた。アイドル集団における没個性を避ける手法-カテゴリ化を回避する

単純接触

心理学で特定の相手と(何度も会ったり・写真を見直したり・動画を繰り返し観たり)することを単純接触といい、それによって好感(好意を持ったり・良い印象を受けたり)を受けることを単純接触効果という。

さくら学院は握手会などの一般的な接触を行わない代り、単純接触による個人化によりファンを惹きつける運営手法を採用している

単純接触イベントとしては下記のものが挙げられる。心理学を引き合いに出すまでも無く、一見されれば単純接触効果を実感して頂けると思う。


さくら学院 学院日誌

学院日誌:さくら学院に在籍している生徒と、過去に在籍していた生徒 が書いた日記を公開しているブログ。公開まで数度書き直すことが普通という程、頑張って書かれている。
さくら学院 学院日誌(アメーバブログ)

生徒本人の手書きで作られたものであるためパーソナル性は最高で、さくら学院というユニットではなく個々の生徒としての情報発信が特長である。

どんなに詳しいインタビューよりも個人的な内容となっていて、生徒所蔵の写真が頻繁に登場するレアな情報源でもある。生徒の飾らない文章は、父兄からすると子供の日記を親が覘き(のぞき)見る感がある。

生徒の日記には外部からコメント投稿も可能。生徒自身もファンからの意見を歓迎しているから、気になる生徒の日記に応援コメントを書き込んであげると良い。

※ルーズリーフノートへ手書きされたものを画像化処理して公開。
※白井 沙樹の母が、内緒でコメント投稿している。(白井 沙樹本人の話)


さくら学院SUN!

さくら学院SUN!:2012年度から1年間、東京MXTVで放送されていた番組。他のアイドルユニットには無いさくら学院の特色である『授業』や『試験(抜き打ちテスト)』が映像化されたもの。

担任の森ハヤシは生徒の長所を引き出すように司会しており、番組での生徒の反応がリアルで、「本当の学校でもこうなんだろうな」という父兄の想像を掻き立てる。ハプニング性を演出してはいるが編集されたものなので、運営が見せたいものを観るという感覚。

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さくら学院 公式チャンネル

niconico動画:『さくら学院公式チャンネル』があり、録画配信するほか時々Liveイベントを実施している。

ライヴではnikoniko動画の機能で視聴者がコメントを流せるのでリアルタイムに生徒との交流も図れ、かなり盛り上がるので楽しんで観れる。最近の同時視聴者数は数万アカウント程となっている。

ライヴ放送の最後10分程度、有料会員だけ視聴出来る時間帯が設けられる。小中学生であるため出演時間が午後8時までという制約があるうえ、大体において通常番組の進行が押していて有料会員向け放送はあっと言う間に終了してしまうのが常だ。


LoGIRL

LoGIRL:2015年1月18日から始まったネットテレビ。

様々なアイドルが交代で出演する生放送番組で、「さくら学院」は毎週月曜夜7時から60分間を受け持つ。生徒の出演を午後8時前に終えなければならない制約から、番組最後はPV映像を流している。

あたかも台本が無い様にみえる台本で、生徒の屈託の無い会話が楽しめる。実際には生徒は念入りに打ち合わせや練習を重ねてから放送に臨んでおり、ふざけている様に見えるが真剣である。

とはいえエンタテイメントなので楽しんで見よう。個々の性格も分かるのでファンは大いに楽しめると思う。一度に生徒全員が出演するのではなく、選抜メンバー5名が登場する。出演メンバーは毎回異なっていて、多く出演する者と殆ど出演していない者とが居る。

担任の森ハヤシも出演するが、生徒の引き立て役に徹しており彼なりの拘り(こだわり)が見てとれる。彼は「台本なんて気にしないでいいんだよ」と常々発言しており、生徒の自由なパフォーマンスに期待している。加えて、運営側としては生徒だけで進行する方向を模索(もさく)しているようだ。

コメント投稿可能

視聴者はTwitterにコメント投稿することで、間接的に番組に参加できる。番組は学校の授業を模して進行する。1時限目と2時限の間の「休み時間」に、ハッシュタグ”#LoGIRL”で投稿されたものの中から、森先生や生徒が読み上げる時間が設けられている。


さくら学院生徒と接触する方法

さくら学院は特色の多いアイドルユニットだが、その中でも重要なポイントが『接触しない』点だ。さくら学院の生徒とファンが個人的に会話する機会は殆ど設けられることは無く、僅かに下記のチャンスを手にした幸運な父兄だけが話す機会を得られる。

【イベントで発言】

一部の公開授業やトークイベント(大体タワーレコード)会場で選ばれた父兄に発言機会が与えられる事がある。常時ではなくイベントの流れで行われるし、そもそもイベント参加から抽選なので狙って出来るものではない。又、生徒と直接的に会話できる訳でもない。

【お渡し会で会話】

毎年度、卒業記念の写真集が発刊されるが、その「お渡し会」会場で卒業する生徒と会話する機会がある。

お渡し会』と呼ばれる発売イベント会場でサイン入り卒業写真集を2冊買うと、その内1冊に目の前で生徒がファンの名前を書き込んでくれる。その僅かな時間に会話することが出来るというものが、さくら学院生徒とファンが自由に会話できる唯一の機会となっている。

もちろん、サイン入り写真集は会場での限定販売で抽選ないし先着順と入手へのハードルは高い。お渡し会は一度限りの開催で開催地も一箇所のみ、つまり一生に一度の機会である。合掌。
(参加条件・お渡し会の内容は年度により異なる可能性がある)

【卒業後は?】

さくら学院の生徒は全員が同じ事務所に所属しており、引退しない限り卒業後も引き続きアミューズがサポートすることになる。一般的にアミューズはアクトレスの握手会は行わないようなので、さくら学院の卒業後も接触は望み薄だ。

例外:2014年度卒業生の田口 華は、所属する『虎姫一座』の公演が行われるアミューズカフェシアター(東京・浅草)で間近に見ることが出来る。なお彼女が高校生の内は学校の休日のみの参加となるため、事前にオフィシャルホームページで出演予定を確認しておくと良い。

例外:ファッションモデルや女優をしている松井 愛莉が、写真集発売などの機会にお渡し会を開催した例がある。
40代の独身ライフ様のレポート 福屋書店のお渡し会案内(下・画像)

松井 愛莉 お渡し会案内

松井 愛莉 お渡し会案内